立場を弁えることについて(『孟子』その1)

 孟子曰く「仕えることは貧のためにするのではない(正しい道を実現するためだ)。しかし時には貧のためにすることもある。…貧のためにする者は、尊きを辞して卑しきに居り、富を辞して貧に居るべきだ。それには、門番か夜警ぐらいがちょうどよい。あの孔子であっても、倉役人になったときは「会計があえばそれでよい」と言い、牧場役人になったときは「牛や羊がすくすく大きくなればそれでよい」と言った。位が卑しいのに言葉の高いのは罪であり、一方、高い地位に居りながら正しい道が行われないのは恥だろう。」
『孟子』*1万章下5)

(参照記事:「内田樹氏・仲正昌樹氏の「正義」批判に寄せて (「言論の無自覚」の問題について) - ピョートル4世の近時雜評~脱然貫通~」)
△この話、次のエントリに続く。

*1:孟子〈下〉 (岩波文庫)