学芸拾遺

 笠井潔氏の脱大学=研究論

それを必要とする人間が少数でもいる限り、どのようなジャンルでも、創作はむろんのこと研究までが自前で進められていくに違いない。探偵小説やSFを対象として行われていることが、漱石研究やドストエフスキー研究にかんして。できないわけがありません。 ……

 今東光氏の文科系大学不要論と絡めて

「してみると大学なんて要らねえね。暴論に聞こえるかもしれませんが少くとも文科系統の大学なんて叩き潰しても惜しくはありませんな。国家の費用で拵える大学は理工科系だけで結構。法科や文科なんてものは独学で好いんだ。(弓削道鏡が)葛城山中で自分自…

 内田樹・南直哉対談「『本当の私』というフィクション」より

△南直哉氏*1の『老師と少年』*2刊行記念だそうで、新潮社のPR誌『波』11月号に出ている。2箇所引用する。 南 高校生のとき、とても尊敬していた牧師がいて、その人を慕ってキリスト教に入信しようと思ったことがあるんです。しかしその牧師は、「信仰という…